租税教育
租税教育とは、租税に関する意義、役割、機能、仕組み等の租税制度を知るとともに、申告納税制度の理念や納税者の権利及び義務を理解し、社会の構成員としての正しい判断力と健全な納税者意識を持つ国民を育成することを目的としています。そして、身近にあるさまざまな税について、その使途と目的を広く周知することは税務の専門家であり、納税者のよき理解者である税理士が適任であり、また、この負託に応えることは職業的責務ともいえます。
中国税理士会では、平成18年から租税教育に着手してまいりました。中国5県下の小学校から大学までの学校教育課程にある児童・生徒・学生に対して税理士が教室で授業を行う「租税教室」の実施や、授業を実施する講師を養成するための専門研修を毎年開催しています。そして近年では、税理士の専門性を活かした取り組みの一環として、社会の構成員である大学生を対象に、私立大学において寄附講座を開設するなど、関係機関のご協力により、幅広い租税教育事業を展開しています。
過去3年間の租税教室実施状況
小学校 | 中学校 | 高等学校 | 専門・専修 | 大 学 | 社会人・ その他 |
計 | |
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令和5年度 | 69 | 264 | 99 | 7 | 10 | 0 | 449 |
令和4年度 | 74 | 200 | 107 | 5 | 9 | 0 | 395 |
令和3年度 | 44 | 156 | 101 | 5 | 9 | 0 | 315 |
大学への寄附講座の設置
本会が実施している租税教室の様子をご紹介します
<中学校>福山市立済美中学校
日時 | 令和6年9月27日(金) |
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対象 | 3年生(3クラス計90人) |
テーマと概要 | 生徒たちと「税金の公平な負担方法」についてグループワーク形式で議論しました。累進課税や税負担の適正化に関する積極的な意見が出され、税金の使途についても真剣に考える時間となりました。充実した学びの場を提供できました。 |
<高等学校>岡山県立倉敷商業高等学校
日時 | 令和5年12月21日(木) |
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対象 | 3年生(320人) |
テーマと概要 | 岡山県選挙管理委員会と連携し、税と選挙に関する租税教室を実施しました。生徒320人を対象に、税の役割や歳出・歳入の推移、税金の使途などを学んだ後、選挙の意義と模擬選挙を行いました。税と選挙が密接に関連していることを理解し、政治参加への意識を高める機会となりました。取材も行われ、全国の選挙管理委員会への教材として活用予定です。 |
<大学>令和6年度寄附講座(前期)
4月10日(水)、7年目を迎えた県立広島大学(広島市)での寄附講座の第一回目がスタートしました。
地域創成学部の3年生を対象とする「税務会計論」の15回シリーズの第一回目であり、上原博行副会長が講師を務め、「現代社会における税理士の使命と役割」をテーマに、税理士制度と高度情報化社会への対応、試験制度や税理士に求められている社会的役割など、自身の経験も交えて解説。最後に、将来どんな仕事に携わっても、自分の目標をしっかり持って、これからの長い人生を歩んでいただきたいとエールを送られました。
<大学>令和6年度寄附講座(後期)
10月4日(金)、公立鳥取環境大学(鳥取市)における4年度目の寄附講座がスタートしました。
経営学部2年生以上を対象とする「租税法概論」の15回シリーズの第一回目で、鳥取支部の下浦正臣会員が講師を務め、「現代社会における税理士の使命と役割」をテーマに90分の講義を行いました。
はじめに自身が税理士に登録した経緯を語られ、続いてこの講座の目的と概要、税理士の日常業務と社会との繋がりとその活躍、DX化のもとで日々変化していく業界の環境などについて、日税連制作のユーチューブ動画「What's税理士」を室内に2つあるスクリーンに適時投影し、約60人の学生に熱く解説されました。
窓口
中国税理士会事務局(TEL:082-246-0088)までご連絡ください。
※最寄りの支部会員を講師派遣します。